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2016年6月26日日曜日

16/06/26 里帰りタボール 続報 それからシリンダー容量とかの雑な考察

こんにちは。不定時連絡です。

先日組み上げ、試射まで持って行き、いったんお伺いしたタボールさんのその後です。



やっぱりもう少し初速が欲しい、との事でしたね。

現状0.2g弾で85m/s。
これをあと5m/s程度上げるべく、あれこれやってみました。

まずは、ピストン内部にスペーサーを入れてみる。

ほぼ変化なし。

ん~。では、一枚セクカしてある分、ピストンの解放位置が前に寄っているはずなので、試しに元々入っていたノーマルの無加工のギアに替えてみよう。

またまたほとんど変化なし。

んん~。

どうしたものか。
ではでは、とばかりに、今度はスペーサーの代わりにベアリングセット(結構厚み出ますねコレ)を入れてみる。

コッキングできず。強化し過ぎたか…。


・・・。

んんん~どうしましょう。
スプリングの強化は頭打ちだし。
吸排気系で他に弄られる所と言えば・・・、ノズルがあったか!

と、いう事で、一度目の出荷時に、吐出口にPOM材のスペーサーを加工して挿入し、内径を狭めていたノズルを拡張してみました。

工事前:3.2mm

を、じわじわと広げ、様子を見てみます。
とりあえず3.4→3.5辺りで一旦初速を計測。

→86m/s。

おお!改善の傾向ですぞ!

ではこの方向でいきませう!とばかりに拡張、拡張。

3.6mmでどうだ?

→87m/s。

むぅ、これ以上広げると、せっかく絞ったのがあまり意味なくなるな・・・仕方ないか。

3.8mm、これでどうだ?

→90m/s。

ジャストキタコレ!これで勝つる!

という事でこのようになりました。


初速的にも要件を満たし大満足であります。

ここで再びお客様に打診。

後はサイクルですね、恐らくギアを戻しても大差ないのでハイスピードにするか否か。

ハイサイクル化で!
とオーダー頂きました。

しかしながら、生憎とセクカしてないギアセットは在庫が無く、現在発注して到着待ちなので、しばし休工ですね。





さて、今回の一連の調整をやっていてぽやーんと思ったことがありまして。

・シリンダー容量とバレル長

・ノズルの絞り加工とかエアの勢い(単位時間当たりの流量、吐出率?)

等々に絡むと思われる雑考です。

そもそもですが、今回のタボール、590mmのバレル長とフルサイズシリンダーというセッティング的にも、普通なアサルトライフルよりもかなりスナイパー寄りな設定になっております。

性格的にはPSG-1が近いかな、というか、アレを念頭にチューニングレシピを組みました。ただ、メカボの都合から実際のPSG-1からすると、まだシリンダー容量は足りてないんですが。


一般に、バレル長が長いほど、それに比例して有効なシリンダー容量も増えますよね。
当然、バレルが伸びれば伸びる分だけ、バレル出口に至るまでのエアの供給量が増えるからなんですが。

私は常から、電ハンやコン電とPSG-1、及びエアコキのボルトアクションライフルのシリンダー容量の差について、そこまであからさまに違うのは何なんだろうなー、と感じておりました。

例えば電ハン等の親指の2/3程度の小さなシリンダーと、VSR-10の長大かつごんぶとな大容量シリンダー。

同じBB弾を飛ばすにあたって、あそこまで容量に差があるのに、初速に「その比率に相応しい」差が無いのは何故なのか?

私の貧相な脳ミソでのイメージでは、容量こそパワーだと。大容量のエアで飛ばせば当然初速もそれに比して速くなる、モノだと思っておりました。

しかし実際は、電ハン等のミニサイズシリンダーでもデフォルトで初速70m/sくらいは出ますし、VSR-10とかえげつないシリンダー容量を誇るボルトアクションライフルの初速は、規制値を大きく超えるものではありません。



しばしのシンキングタイムです。
では一体、「何が初速を決めているのか」?

こういう時、一番いい答えが出るのは私の場合大抵お風呂ですね。皆様はいかがですか?

昨夜も湯船に浸かりながらなんでかなー、とぼんやり考えておりましたところ、一つの気付きが。

もう一つの大きなファクターを見落としておりました。

そう、それは・・・。

速さが足りない!


話が変わりますが、皆様は小学校等で電気の性質について勉強されましたよね。
電気の強さを表す場合、何と何が必要か?

電流と電圧ですね。

あるいは水で考えても良いかもしれません。
水車を回すのに必要な力について。

やっぱり大切なのは、水量と水圧ですね。

そう、「量」は当たり前ですが、この「圧」という字に込められた意味が大きな役割を果たすんですね。


「圧」、とは何か。

煎じ詰めていえば、決められた単位の中に、どれだけのものが詰まっているか、その詰まり具合の事です。

同じ容量であっても、例えばこの「圧力」が違うという事は、結局引き出されるエネルギーは、同じ時間で区切れば変わって来ます。

「容量が同じだから持ってるエネルギーも同じじゃないのか?」と思いがちですが、それは両方の入れ物が空になった時に、流れ出たエネルギーの「合計」が一緒になる、という話。

この一時、一瞬で流れている「量」は違います。



さて何の話でしたっけ。
この、「一瞬の間に流れる量」が、実は大きく影響するのではないかと。
瞬間的な「エアの流量」ですね。

弾速が一定とした場合、バレルの長さが長くなればなるほど、バレル内部を通過するのに必要な時間は長くなります。

この事から、バレル長の長いスナイパーライフル等の方が、同じくそれが短い電ハン等よりも長い時間「エアを吐き続けなければ」いけない訳ですね。

もしエアを吐く時間が短いバレルの物並みに短ければ、弾丸がバレルを通過し切らない内にエアが切れる事になり、そうなると弾丸には発射方向とは逆向きの、ブレーキになる力が働く為、初速が低下します。


逆に捉えるなら、短いバレルの容量の小さいシリンダーでも、長いバレルの大容量のシリンダーでも、恐らく「瞬間的に弾丸に当たっているエアの圧力」はそう大差ないのではないでしょうか?

つまり、「バレル長が長ければ長いほど、シリンダー内のエアを圧縮するスピードはゆっくりになる」

これが、シリンダー容量の比に対してアンバランスな初速の差の正体です(たぶん)。






というのが私のお粗末な頭脳で捻り出した雑な考察です。

で、ノズルの絞りを広げた事で初速が改善した件はここからどう説明するのか?
この仮説的には、ノズルを絞ればその分そこを通過するエアの「圧力」が上がるから、初速も上がるはずなのではないか?


それに対する一つの仮説としては、「ミスマッチ」ですね。


と言いますのは、シリンダー内の圧縮されたエアがノズルを経由して弾丸を押す訳ですが。

今まで聞きかじりの知識で、「ノズルを絞った方が、圧縮されたエアが弾丸に当たるので、流速効果が得られて飛距離が伸びる」という認識だったのですね。

流速の何かも良く知らないまま。

結果的に、流速チューンの本質とは「瞬間的な圧力を高める事で、弾丸を長く加速させるチューニング」である、とぼんやりと認識しだした今現在から見れば、なるほど確かに圧縮効果はあるのでしょう。

ただし、それはエア漏れ、ロスを考えなければの話です。
またここには、初速と飛距離という微妙に正比例しない二つのファクターが入っていますが、今回はややこしくなるので割愛という事で。

ノズルの吐出口が絞られていた場合、そこを通過するエアの圧力が上がりますが、当然ながら吐出口以外の部分に対しても圧力が上がる=抵抗が生まれるはずです。

考えてみれば至極簡単な話で、当然ながら間口が広い方がたくさんの人が出入りできる訳で。
結果的に、弾丸への有効なエアの供給量としてはむしろ低下していたのではないでしょうか?

つまり、シリンダーからのエアの供給量、恐らくは圧力と供給時間がそれを無視できるほど十分に強力なら、プラスの作用だけが結果として現れますが、それが足りなかった場合、むしろその抵抗によって失われるエネルギーの方が大きいのでは?というのが今の所の解釈です。

例えば単純にシリンダーヘッドとノズルの接続部から盛大にエアが漏れている、とかね。

ノズルを必要以上に絞らない方が、シリンダーから得られるエアの圧力を損なう事無くダイレクトに弾丸に伝えられる、からこそ今回初速が上がった、と考えています。

何事も、適量、過ぎたるは及ばざるが如し、ですね。




長くなりましたが、今回は吸排気系、特にその「動作時間」についてちょっと煮詰めてみました。

本日はこんなところですかね。
それではまた~。

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